花粉症及びアレルギーに関するQ&A
全問正解できるか挑戦しよう!
今回のテーマは、花粉症及びアレルギーについて。
花粉によるアレルギーである花粉症やアレルギーに関する様々な疑問及びその回答と解説をお伝えして、これらの病気について学びます。
以下の質問にお答え頂き、回答及び解説にお進みください。皆さま、全問正解できますでしょうか?
- a.トマト
- b.キュウリ
- c.唐辛子
- a.アルコール
- b.ワセリン
- c.セロハン
- a.表裏がある
- b.表裏がない
- a.麦
- b.トウモロコシ
- c.米
- a.自然災害
- b.公害
- a.花粉症になる
- b.花粉症にならない
- a.検討がおこなわれる
- b.検討がおこなわれない
- a.第一子
- b.中間子
- c.末っ子
- a.子供のうちからアレルギーを引き起こす食品を食べない
- b.子供のうちからアレルギーを引き起こす食品を食べる
- a.バケツ(コップ)
- b.シーソー
- c.自転車
回答及び解説
- 正解は、
- a.トマト
- b.キュウリ
- c.唐辛子
果物や野菜には、花粉のアレルギー物質に似た成分を含むものがあります。
トマトは、スギとヒノキ花粉のアレルギー物質に似た成分を含み、食べた際に口の中でアレルギーが発生して口腔アレルギーを発症することがあります。発症すると食べてからおよそ15分以内に唇や口やのどなどに、イガイガ感、かゆみや腫れなどの症状が現れます。
スギ花粉症患者のうちの10人に1人の割合で発症するといわれ、食物アレルギーのように重篤な症状が出ることはほとんどありませんが、食べ続けると重症化する危険があり、発症した場合はトマトの摂取を控えましょう。
- 正解は、
- a.アルコール
- b.ワセリン
- c.セロハン
ワセリンを鼻や目の周囲に塗ると花粉が付着して、鼻や目に入りにくくなり、花粉症の症状が和らぎます。症状がひどい場合は、綿棒などで鼻の中にも塗ると良いでしょう。
ワセリンに付着した花粉は、鼻腔内に長くとどまり、放置すると花粉症が悪化する可能性があります。一度塗ったワセリンは、ティッシュでこまめにふき取り、新しく塗りなおすと良いでしょう。
- 正解は、
- a.表裏がある
- b.表裏がない
マスクのプリーツ(ひだ)が下を向き、耳にかけるゴムの溶接面が外側になるように着けるのが正しい着用方法です。
逆に着けると、ひだに花粉がたまったり、顔とマスクの間に隙間が出来たり、溶接面が肌に当たって痛みが出ることがあります。「プリーツは下向き、ゴムひもは外側」と覚えておくと良いでしょう。
なお、マスクの上半分と下半分で逆方向にひだがあるマスクもありますが、その場合はマスクをしっかりと上下に広げ、ひだを伸ばすことで花粉がたまることを防ぐことが可能です。
- 正解は、
- a.麦
- b.トウモロコシ
- c.米
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構において、食べるだけで花粉症の改善が期待できる「スギ花粉米」の開発が行われています。
スギ花粉米は、花粉症を引き起こす抗原(アレルゲン)の一部、「ペプチド」を遺伝子組み換えによって内部に蓄積させた米で、通常の米と栄養分の組成や味に違いはありません。
この米を食べ続けることでスギ花粉症の抗原を少しずつ体内に取り込むことができ、体を抗原に慣らして、花粉への防御反応が起きないようにすることで花粉症を治療します。近い将来店頭に並ぶ日が来るかもしれません。
- 正解は、
- a.自然災害
- b.公害
花粉症の患者数が増加した原因に、戦後の国の植林政策が関係していると言われています。
国は、戦争で荒れたハゲ山を森に戻し、復興に向けた木材需要にも応える為に1960年代から、育てやすく成長が早いスギの植林を進めてきました。
スギの木が増加したことと、その多くが花粉を放出させる樹齢(25~30年)に達したために、花粉の放出が非常に増えて、花粉症患者も増えています。
国の植林政策が原因であることから、花粉症を公害とする考え方があります。
なお、花粉症の増加には、他の要因(生活環境が清潔になったことや大陸から飛来するPM2.5の増加など)も関係していると考えられ、国によって花粉症が公害であるとの認定はされておりません。
このような状況に対して、国もただ手をこまねいているわけではなく、花粉を放出しないスギを開発して植林したり、花粉の放出を防ぐ方法の開発を進めています。
しかし、十分に効果を発揮する状況にはなく、当面は花粉症に悩まされることになりそうです。
- 正解は、
- a.花粉症になる
- b.花粉症にならない
犬や猫などのペットも花粉症を発症します。
近年、犬や猫の花粉症は増加していると言われ、昔に比べて室内で飼うケースが増えたことが増加要因としてあるのかもしれません。
- 正解は、
- a.検討がおこなわれる
- b.検討がおこなわれない
2019年8月に、健康保険組合連合会(健保連)より医療費削減を目的として「市販薬で代替が可能な花粉症治療薬は保険適用外とするべき」との診療報酬の改革案が出されています。
健保連が提案したというだけで、まだ何も決まっていない状況ですが、中央社会保険医療協議会において話し合われていく予定です。
なお、健保連は、湿布・ビタミン剤・保湿剤なども同様に保険適用外とするべきと提案しています。
- 正解は、
- a.第一子
- b.中間子
- c.末っ子
ロート製薬が行ったアンケート結果により、第一子の花粉症の発症率(39.7%)が、第二子(29.2%)、第三子(28.6%)より高かったと報告されています。
この結果は、衛生仮説(生育期に衛生的な環境で育ち、菌の感染などが少ない人はアレルギー疾患になりやすいとする説)で説明できます。
第二子以降の子供は、上の子供から感染症をうつされる可能性があり第一子に比べて菌の感染などのリスクが高く、その為にアレルギーの発症率が少ないと考えられています。
- 正解は、
- a.子供のうちからアレルギーを引き起こす食品を食べない
- b.子供のうちからアレルギーを引き起こす食品を食べる
以前はアレルギーを防ぐために、子供のうちからアレルギーを引き起こす食品を避けることが推奨されていました。しかし、現在では子供のうちからアレルギーを引き起こす食品を食べたほうがアレルギーを予防できると言われています。
離乳食が始められる生後5~6カ月ごろになったら、卵などアレルギーを引き起こす食品も少量ずつ食べさせたほうが予防の効果が高まります。
むしろ遅らせることで、食物アレルギーの発症リスクが高まることがわかっています。
但し、アレルギーを既に発症している場合は、医師の診断を受けて指示に従いましょう。
- 正解は、
- a.バケツ(コップ)
- b.シーソー
- c.自転車
以前は花粉症の発症の説明に、バケツやコップなどをイメージし、花粉による負荷がその容量を超えた時に発症するとの説明が行われてきました。
しかし、これは間違い。スギ花粉の感作療法では、少量の花粉のアレルギー物質を摂取することで治療が行われます。前記の説明では、バケツがあふれるだけで治療は不可能です。
現在、よく例えられるのがシーソーです。
シーソーの一方が体の抵抗力でもう一方が花粉による負荷。花粉の負荷が抵抗力より勝った時に花粉症を発症します。
感作療法は、花粉のアレルギー物質に体を慣らすことで体の抵抗力を増す療法であり、シーソー理論で説明可能です。