より健康的な入浴方法
- 入浴前にコップ1杯の水を飲む。
- 湯船に浸かる前に足先からかけ湯をする。
- 30秒ほど半身浴を行い、温度に体を慣らす。
- ぬるめのお湯(40℃)に5分程度入浴する。
(入浴剤を使用して温浴効果を向上すると共に、肌へ潤い成分を補給する。) - お風呂から出る時は、ゆっくりと立ち上がる。
- 髪や体を洗う。
- 再度、ぬるめのお湯(40℃)に5分程度入浴する。
- お風呂から出る時は、ゆっくりと立ち上がる。
- 入浴後にコップ1杯の水を飲む。
今回のテーマは、入浴について。前回の健康情報では、入浴に関する様々な質問から、意外な入浴の真実についてお伝えしました。
今回の健康情報では、タイプ別の入浴方法の長所や短所、入浴の三大効果を紹介しながら、最も健康的と考えられる入浴方法について考察します。
早坂信哉教授による分類の1つ目のタイプが、「健康手抜き風呂」。
40℃以下のお湯に10分以下と、ぬるめのお風呂に短時間浸かるタイプの入浴です。1)
健康手抜き風呂は、ヒートショック、脱水症状、皮膚の乾燥リスクが低く、温浴効果が得られ、血流の改善が期待できます。
健康リスクの少ない入浴法ですが、従来、のんびり長風呂を楽しんできた筆者が試したところ、いつもより温まり方が少ないと感じ、入浴剤を使用しました。
のんびり長風呂派だった方は、必要により温浴効果を高める目的で入浴剤を準備しておくと良いでしょう。
2つ目のタイプが、「のんびり長風呂」。
40℃以下のお湯に11分以上と、ぬるめのお風呂に長時間浸かるタイプの入浴です。1)
のんびり長風呂は、よく温まりますが、長時間の入浴により脱水症状やのぼせのリスクが高まると共に、肌の潤い成分が失われることで乾燥肌のリスクが高まります。
長時間の入浴の際には、途中でお風呂から出たり、水分を補給する、保湿剤入りの入浴剤により肌の潤い成分を補給すると良いでしょう。
3つ目のタイプが、「江戸っ子風呂」。
41℃以上のお湯に10分以下と、熱めのお風呂に短時間浸かるタイプの入浴です。1)
江戸っ子風呂は、温まり、脱水症状やのぼせ、乾燥肌のリスクも低いのですが、血圧の急上昇により脳出血などのリスクが高まります。熱い湯が好きな人は十分なかけ湯と、ぬる湯からの追い炊きで徐々に熱い湯に体を慣らすようにしましょう。
4つ目のタイプが、「熱中症風呂」。
41℃以上のお湯に11分以上と、熱めのお風呂に長時間浸かるタイプの入浴です。1)
熱中症風呂は、よく温まりますが、脱水症状やのぼせ、乾燥肌、血圧の急上昇により脳出血などのリスクが高まります。熱い湯を好む人は入浴前の十分なかけ湯やぬる湯からの追い炊き、また汗ばんだら途中で一度湯から出る、入浴後に保湿クリームを使用するなどの工夫をするといいでしょう。
様々な悩みや疾患について、タイプごとの入浴方法との関係が早坂信哉教授により報告されています。4タイプの中では、「健康手抜き風呂」が様々な悩みや疾患が最も少なかったそうです。
【リンナイ調べ】1)
肩こり、頭痛、便秘、汗かき、薄毛、高血圧性疾患、高脂血症、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、冷え性
上記の結果から早坂信哉教授は、「健康手抜き風呂」を最も安全かつ健康な入浴法として推奨しています。
入浴タイプと健康についてもっと詳しくお知りになりたい方は、
Rinnai NEWS LETER 熱と暮らし通信 2017/11/6(外部リンク)をご覧ください。
入浴の健康効果は、主に以下の3つの作用によると考えられています。
これら3つの作用により、新陳代謝が高まって体内の老廃物や疲労物質などが排出されやすくなります。入浴により肩のコリや筋肉痛などの改善も望めます。これらが総合的に働くことで健康効果が生まれるのです。
なお、静水圧に関して1つだけ注意点があります。お風呂から出るとき急に立ち上がると、水圧からの解放により心臓へ戻る血液が急激に少なくなり、脳への血流も減少するので、立ちくらみを起こしやすい状態になることがあります。転倒防止の為にお風呂から出る際は、ゆっくり立ち上がりましょう。
これまでの内容をまとめるとより健康的な入浴方法は以下になります。
上記に加えて冬場は、ヒートショック対策として脱衣所の暖房など温度変化を少なくする工夫も行うと良いでしょう。
参考文献
1)Rinnai. ~入浴科学者早坂信哉先生監修入浴のタイプ別診断公開~ 安全かつ健康な入浴は"時間10分以下×温度40℃以下" 推奨したい「健康手抜き風呂」を実践している人は約2割.Rinnai NEWS LETER 熱と暮らし通信 2017/11/6