梅雨の体調不良に注意!

自律神経の乱れを抑えて快適な毎日を過ごしましょう

梅雨は、ジメジメして気分的に鬱陶しいだけではありません。雨など天候の変化による気圧差や、季節の移り変わりによる温度差などにより、心身の不調を訴えることがあります。梅雨時期に多い病気として「季節病」や「気象病」が挙げられ、これらの主原因は自律神経の乱れと考えられています。今回の健康情報では、梅雨時期に多い「季節病」や「気象病」とは何か、その主原因となる自律神経の乱れとその対策についてご紹介致します。

「季節病」、「気象病」とは?

季節病は、季節毎の気圧や気温によって起こる不調であり、年中起こりえます。一方、気象病は気圧の変化によって人体へ影響が出る病気で、梅雨などの気圧が大きく変化する時期に多く起こります。どちらも自律神経のバランスの崩れが主な原因であると考えられています。

梅雨時期に多い身体の不調

体の不調
だるい、体が重い
吐き気
肩こり
頭痛
めまい、耳鳴り
下痢、便秘
食欲不振
むくみ
寝つけない、朝起きれない
関節痛、神経痛
心の不調
やる気が出ない
ダラダラ過ごしがち
集中力や思考力が低下する
人に会うのがめんどう
気分がふさぐ
不安や焦りを感じることが多くなる
イライラしやすい
午前中の気分が特にのりにくい
性欲減退

梅雨時期に起こるこれらの体調不良の多くは、梅雨前線の停滞による「季節病」が影響していると考えられています。梅雨前線の付近には低気圧が発生し易く、その影響で梅雨は雨の日が多くなります。私たちの体は、気圧の影響を受けて自律神経のバランスが変化することが知られており、気圧が高い(晴れ)時には交感神経が優位に、気圧の低い(雨)時には副交感神経が優位に働きます。どちらかが優位に働き過ぎてしまうと体調が乱れやすくなり、上記の様々な症状の原因となります。

自律神経とは?

自律神経は、循環器、消化器、呼吸器などの私たちの体の活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。相反する働きがあり、交感神経が強く働いている時は、副交感神経の働きは弱くなり、副交感神経が強く働いている時は、交感神経の働きが弱くなります。

昼間は交感神経が働いて、活動しやすい状態にする。夜間は副交感神経が働いて、昼間の活動での疲労やダメージを回復する。この二つの働きで、私たちは活発的で健康的な生活を維持しています。二つの関係は、一方が上がると一方が下がる「やじろべい」をイメージすると分かりやすいでしょう。

自律神経が健康な状態

交感神経は「闘争と逃走の神経」とも呼ばれ、交感神経が活発になることで起こる様々な体の変化もこの観点から考えると理解しやすくなります。闘争として相手と戦う時、体は興奮して心臓の鼓動は早くなり、血圧が上がり、素早く動く為に筋肉も緊張します。同じように、自分を狙う相手から本気で逃げる時も体は興奮した状態となります。

副交感神経は交感神経の逆の働きを担います。交感神経は運動時などの興奮した時に活発となりますが、副交感神経は体がゆったりとしている時に強く働きます。食事や休息など、体を休めている状態を想像すると副交感神経がどのような働きをするか理解しやすくなります。例えば食事をしている時は胃酸がたくさん分泌されて腸の運動が活発になります。副交感神経が興奮することにより、食物の消化に関わる機能が活発になります。また、休息の為に筋肉が弛緩し、それに伴い心拍や血圧が低下し発汗も抑制されます。

自律神経のバランスが崩れると?

自律神経のバランスが崩れて、交感神経と副交感神経のどちらかが強くなり過ぎると全身にその影響が及び、様々な症状となって現れます。交感神経が強い状態が続くと、体は活動的な状態が続き、体が休息状態に移行し難くなりイライラ、不眠、肩こり、便秘など様々な症状となって現れます。副交感神経が強い状態が続くと、体は休息状態が続き、活発的な状態に移行し難くなり無気力、手足の冷え(循環不良)、低血圧、だるい、下痢など様々な症状となって現れます。

自律神経のバランスを整えるには?

気温や天候をコントロールすることは困難ですが、日常生活に注意することで自律神経のバランスを整えることが可能です。

自律神経の働きを整える日常生活

睡眠をしっかりとる

睡眠中は副交感神経が働き、心身の疲れを取り除きます。
夜更かしが続くと副交感神経の働く時間帯に交感神経が働き、神経の働きの切り替えがうまくいかなくなります。

生活のリズムを整える

私たちの体には、一日の体温・ホルモン分泌・睡眠などのリズムを整える「体内時計」があります。生活のリズムが乱れると体内時計のリズムも乱れ、自律神経の働きにも影響を与えます。起床・就寝・食事の時間をできるだけ規則正しくし、リズムを維持することが大切です。また、体内時計は朝の光を浴びることでリセットできます。朝は、カーテンを開けて太陽の光を浴びたり、電気をつけて部屋を明るくしましょう。

適度な運動を行う

散歩やウォーキングなど、軽い運動は自律神経の働きを整える効果があります。

リラックスする時間をとる

交感神経の興奮を鎮めるには心身の休息が必要です。音楽を聞いたり、お風呂に入るなどリラックスした時間をとりましょう。

食事のバランスに気を付ける

食物に含まれるビタミン・カルシウム・ミネラルなどは自律神経の働きを整える作用があります。インスタント食品や偏食に気を付けて、バランスよく様々な食品を摂るように心がけましょう。

2017年05月30日
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