カルシウムと健康 ②

骨の健康と骨質

2回シリーズとして「カルシウムと健康」を取り上げます。
今回はその第2回、骨の健康と骨質です。

骨は「カルシウム」と「コラーゲン」で出来ている!

骨というと最初にカルシウムを思い浮かべますが、実は骨の容積の半分は美容関係でよく耳にするコラーゲンで出来ています。
コラーゲンは骨にとってカルシウムに負けないくらいに重要な成分です。

骨は下図のようにコラーゲン線維が強靭な柱を形成し、その周りにカルシウムなどのミネラル成分が張り付いた構造をしています。

骨の仕組みと骨の健康を決める骨密度+骨質=骨強度

骨の強さは「カルシウム量(骨密度)とコラーゲン繊維の質(骨質)」で決まる

骨が弱くなる病気である骨粗鬆症の対策など骨の健康を守るには、従来は骨密度だけが重要とされてきました。
しかし、最近の研究で骨質(コラーゲン繊維の質)も重要であることが判ってきました。
骨以外の病気の対策は骨量(骨密度)を高くすることですが、骨の健康は、それにプラスして骨質にも気を配る必要があります。

骨密度が低下する原因

古くなった骨は、"破骨細胞"によって溶かして壊され、"骨芽細胞"が作りだした骨成分で修復されます。これらの働きを骨代謝と呼びます。この2つの細胞がバランス良く働くことで骨の健康が守られていますが、下記のような原因でそのバランスが崩れて骨を壊す働きが強くなると骨密度が低下します。

破骨細胞と骨芽細胞の役割

骨代謝のバランスが崩れて骨密度が低下する原因

主な原因は

骨質が悪化する原因

①ホモシステイン由来の活性酸素による酸化

ビタミンB6、B12や葉酸が不足した場合に体の中で増えやすいとされるホモシステインという物質は、活性酸素を発生します。

活性酸素はコラーゲン線維を酸化して、その強度を下げると言われています。

②糖化

(余分な糖が結びついて身体を構成するタンパク質を老化する現象)

骨のコラーゲン繊維に糖が結びついて、コラーゲンを老化(劣化)して線維の強度を下げると言われています。糖尿病や食べ過ぎなどで血液中に糖が増え過ぎる(高血糖)と身体の様々な場所で糖化が促進され、骨のコラーゲンも糖化されます。

活性酸素による酸化と糖化

骨強度(骨密度・骨質)を改善して骨の健康を保ちましょう!

骨量を増やし骨質を上げる生活習慣

食事は抜かない 1日1食よりも2食、2食よりも3食
食べる順番に気を付ける まずは野菜から
食べ過ぎない
ゆっくり食べる
適度な運動
煙草を吸わない
無理なダイエットをしない
ストレスの回避・解消
バランスの良い食生活
カルシウムの豊富な食品 牛乳、小魚、野菜など
ビタミンDの豊富な食品 イワシ、サンマ、干し椎茸など
ビタミンB6、B12や葉酸
抗酸化物質 ビタミンC、E、カロテン、ポリフェノールなど
抗糖化物質 ハーブ類、米糠など
リンを摂り過ぎない 一般的にリンが多いインスタント食品やスナック菓子、冷凍食品を控える
炭水化物(糖質)を摂り過ぎない

食生活など生活習慣の改善はなかなか難しいものです。そのような方は、手軽に栄養が補給できる健康食品を利用するのも良いでしょう。

2015年06月01日
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